押上駅の歴史から読み解く昔と今の違い!住みやすくなった理由を徹底紹介

墨田区 住環境

店長 熊谷 一世

筆者 店長 熊谷 一世

不動産キャリア14年

墨田区で生まれ育ち、墨田区在住です。墨田区のことなら私になんでもお聞きください!

お部屋探しでエリアを迷っているとき、同じ駅でも昔と今で街の印象が大きく変わっていることがあります。
押上駅もそのひとつで、京成押上線や都営浅草線、半蔵門線など複数路線が乗り入れる現在の姿からは、かつての下町エリアとしての歴史が想像しづらいかもしれません。
しかし、戦災復興や区画整理、さらには東京スカイツリー建設をきっかけとした再開発を経て、押上駅周辺は大きく姿を変えてきました。
このコラムでは、押上駅の歴史をたどりながら、住みやすくなった理由や昔と今の違いを整理し、エリア選定の参考になるポイントを分かりやすく解説していきます。
読み終えるころには、押上が自分の暮らし方に合うのか、具体的なイメージを持てるはずです。

押上駅の歴史と下町エリアとしての歩み

現在の押上駅は、まず1912年に京成電気軌道の駅として開業し、周辺地域の鉄道交通の起点となりました。
その後1960年には地下鉄1号線として現在の都営浅草線の押上〜浅草橋間が開業し、都心方面へのアクセスが大きく向上しました。
さらに2003年には東京メトロ半蔵門線が押上まで延伸し、東武線との相互直通運転も始まったことで、広域に移動しやすい結節点として発展してきました。
このように各路線の段階的な整備によって、押上駅は下町エリアの中でも交通利便性の高い拠点へと変化してきた歴史があります。

押上周辺は、もともと村として成立して以降、河川や農地が広がる地域から市街地へと姿を変えてきました。
大正時代の大震災や昭和の戦災では、広い範囲で建物の焼失と人口の流出が起こり、その後の復興事業として道路網や街区の再編が進められました。
特に震災復興区画整理や戦災復興区画整理により、現在見られる碁盤目状の道路や防災性を意識した街並みが整えられていきました。
こうした都市計画上の取り組みが積み重なったことで、押上一帯は徐々に住宅や商業が混在する市街地として形成されていったのです。

かつての押上周辺には、小規模な工場や町工場、住宅に寄り添うような商店街が多く立地し、生活と仕事が近接した下町らしい環境が広がっていました。
路地裏には長屋や木造住宅が並び、日用品を扱う個人商店や飲食店が徒歩圏で完結する暮らしを支えていたことが、各種の地域資料からうかがえます。
また、近隣には従業員向けの共同住宅やアパートも整備され、工場勤務の世帯や自営業の家族が多く暮らしていたことも押上エリアの特徴でした。
このような商工業と居住が密接に混在した姿が、長く押上の下町情緒として受け継がれてきた生活環境だといえます。

時期 押上駅と路線 街並み・暮らしの特徴
1910年代 京成電気軌道の起点駅 農地と集落が点在
戦後復興期 都営浅草線開業で都心連絡 区画整理による直線道路
2000年代以降 半蔵門線延伸で結節強化 商業と住宅が混在する市街地

東京スカイツリー建設と再開発で変わった押上駅周辺

東京スカイツリーは、2003年以降の新タワー誘致を経て建設地が決定し、2008年7月に本格着工、2012年に開業しました。
この建設決定に合わせて、周辺一帯では土地区画整理事業や道路整備などの再開発が一体的に進められました。
それまで低未利用地も多かった一帯に、商業・業務・文化・住宅が複合した市街地を形成することが、まちづくりの大きな目標とされています。

こうした動きを受けて、墨田区は2008年3月に「押上・業平橋駅周辺地区地区計画」を都市計画決定し、その後の変更を経て「押上・とうきょうスカイツリー駅周辺地区地区計画」として再編しました。
この地区は約35.2ヘクタールの範囲で、観光拠点と防災拠点の役割を担う「広域総合拠点」と位置づけられています。
商業・業務機能と住宅機能を調和させながら、良質な複合市街地を誘導することが、都市計画上の基本方針になっています。

インフラ面では、駅前広場の整備や自由通路の充実、周辺道路の拡幅などにより、歩行者が安全に移動しやすい動線が整えられました。
あわせて、鉄道の連続立体交差事業や周辺道路の再編を進めることで、災害時の避難経路確保や延焼遮断帯の形成など、防災性の向上も図られています。
これらの整備により、押上駅周辺は、単なる観光地ではなく、日常生活と観光が共存する拠点としての機能を高めつつあります。

項目 主な内容 暮らしへの影響
再開発の目的 広域総合拠点としての複合市街地形成 住む・働く・訪れる機能の集約
都市計画上の位置づけ 観光拠点かつ防災拠点としての中核地区 平常時のにぎわいと非常時の安全性向上
インフラ整備 駅前広場・道路・歩行者空間の再編 移動しやすく安心な生活動線の確保

押上駅が「住みやすくなった理由」をデータで確認

押上駅は、東京メトロ半蔵門線、都営浅草線、京成押上線、東武スカイツリーラインの4路線が利用できる交通結節点です。
半蔵門線は渋谷方面、浅草線と京成押上線は相互直通運転により、羽田空港と成田空港の双方へ乗り換えなしでアクセスできます。
また、都営浅草線は日本橋や新橋などの主要ビジネスエリアを通過し、半蔵門線は大手町方面へ直結するため、都心部への通勤時間を抑えやすい点も特徴です。
このように、通勤や出張、旅行までを1本の電車でカバーしやすい交通利便性が「住みやすさ」の土台になっています。

次に、統計から人口や世帯構成の変化を見てみると、墨田区全体では近年も人口が横ばいから微増傾向にあり、子育て世帯や単身世帯の双方が増えていることが示されています。
墨田区の都市マスタープランやまちづくり関連資料では、押上・とうきょうスカイツリー駅周辺地区を「良質で定住性の高い都市型住宅の導入」を進めるエリアと位置付け、再開発とあわせて住宅供給を図ってきました。
再開発事業により、共同住宅を中心とした中高層の住居系建物が増え、居住人口の受け皿が広がったことも、暮らしやすさ向上の背景と言えます。
こうした住宅ストックの充実により、単身者からファミリーまで多様な世帯が生活しやすい環境が整えられてきました。

暮らしやすさを支えるもう1つの要素として、買い物環境や公園・公共施設の整備が挙げられます。
墨田区公園マスタープランや公園再整備の資料では、隅田公園などの水辺空間を含め、誰もが快適に利用できる公園づくりや、回遊性向上を重視した整備が進められてきました。
また、押上駅前広場周辺にはバス結節点が設けられ、区内循環バスとの乗り継ぎ環境が整備されるなど、日常の移動のしやすさも高まっています。
このように、鉄道・バス・歩行空間、公園や公共施設が一体となって整備されてきたことが、生活利便性の向上に直結しているのです。

確認したいポイント 主な内容 住みやすさへの影響
交通アクセスの状況 4路線利用と空港直通 通勤通学と旅行の利便
人口と住宅の動向 定住性の高い都市型住宅 多様な世帯が暮らしやすい環境
生活利便施設の整備 公園再整備とバス結節点 日常生活と移動の快適性

昔と今の押上駅周辺を比較しながらエリア選び

押上駅周辺には、路地が入り組む住宅地や昔ながらの商店が今も点在し、下町らしい人情味のある雰囲気が残っています。
一方で、駅前から続く再開発エリアでは、高層建物や広い歩道、公開空地が一体的に整備され、観光と業務機能を担う広域拠点として位置づけられています。
墨田区の地区計画では、こうした新しい街区に商業・業務・文化・住宅を複合的に集積させる方針が示されており、景観や建物の高さにも一定のルールが設けられています。
このように、同じ押上駅周辺でも、昔ながらの街並みと再開発で生まれた街区とでは、建物のスケールや歩行空間の広さ、にぎわいの質が大きく異なっているのが特徴です。

押上駅周辺は、鉄道4路線が集中する結節点として再開発が進み、昼夜や平日・休日で人の流れが大きく変化するエリアになっています。
観光施設や大規模商業施設がある駅直結の街区は、休日や夕方以降の時間帯に特に来訪者が増え、歩行者通行量が多い傾向があります。
一方で、駅から少し離れた住宅街では、通勤通学時間帯を中心に人の出入りがあり、それ以外の時間帯は比較的落ち着いた生活リズムが保たれています。
このような昼夜間人口や通行量の差は、墨田区や東京都が公表する都市計画・交通関連資料でも指摘されており、エリア選びの際には「時間帯による雰囲気の違い」を実際に歩いて確かめることが大切です。

押上駅周辺でお部屋探しを検討する際は、まず駅前広場や幹線道路沿いと、路地裏や住宅街とで騒音レベルが異なる点に注目することをおすすめします。
再開発エリアは歩行空間や広場が整備され、防災性やバリアフリー性が高められている一方、イベント開催時や観光シーズンには人出が増え、にぎやかさを伴う可能性があります。
また、墨田区のまちづくりでは安全安心の確保が重要なテーマとされており、駅周辺の照明や防犯環境も順次整備が進められているため、夜間の人通りや明るさを確認しておくと安心です。
さらに、日常の買い物経路や保育・教育施設、医療機関への動線が無理のない範囲に収まるかどうかを、徒歩と自転車の両方を想定して確認することが、押上エリアを検討するうえでの大切なチェックポイントになります。

比較項目 昔の押上駅周辺 今の押上駅周辺
街並みの雰囲気 低層住宅と細い路地 高層建物と広い歩行空間
にぎわいの時間帯 通勤時間帯中心の人出 観光客も交えた終日賑わい
暮らしのチェック点 静けさと生活利便性重視 騒音と動線バランス重視

まとめ

押上駅周辺は、昔ながらの下町らしさと、再開発で生まれた新しい街並みが共存するエリアへと大きく変化してきました。
複数路線が利用できる交通利便性に加え、買い物環境や公共施設も整い、暮らしやすさの指標となるデータ面でも魅力が高まっています。
一方で、昔からの路地や商店街の雰囲気も残っており、「落ち着き」と「便利さ」を両立した住環境をイメージしやすいのが特徴です。
実際の暮らしのリズムや騒音、治安、生活動線は、駅からの距離や向きによって大きく異なります。
当社では、数字だけではわからないエリアの「今」の様子も踏まえ、お部屋探しを丁寧にサポートいたします。
押上駅周辺が気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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