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残置物があっても不動産売却は可能?荷物そのまま家を売却する流れと注意点

納得の不動産売却

係長 秩父 貴弘

筆者 係長 秩父 貴弘

不動産キャリア13年

墨田区東駒形出身。不動産の売却や購入に関しましては、私にお任せください!

家を売りたいと思っても、家具や荷物がそのまま残っている状態では、何から手を付ければよいか迷いや不安を感じる方が多いものです。
相続した家や、遠方の実家、高齢の親が暮らしていた住宅などは、残置物が多く片付けだけで大きな負担になりがちです。
しかし、残置物がある不動産売却でも、進め方や注意点を理解すれば、荷物そのまま家を売却することは十分に可能です。
この記事では、残置物とは何かという基本から、荷物を残したまま不動産売却するメリットとデメリット、具体的な進め方や費用の考え方まで、順を追って分かりやすく解説します。
できるだけ手間をかけず、安心して売却を完了させるための考え方を、一緒に整理していきましょう。

残置物とは?荷物そのまま売却の基本知識

不動産の売却において「残置物」とは、建物の中に残された家具や家電、生活用品などの動産を指すことが一般的です。
国土交通省の資料でも、残置物は室内に残された家財として扱われており、建物そのものや給排水設備などの不動産とは区別されています。
つまり、ソファや冷蔵庫、衣類といったものは残置物に当たりますが、造り付けの収納や建物に固定された設備は、通常は残置物には含まれません。
この区別を理解しておくことで、売却時にどこまで片付ける必要があるかを整理しやすくなります。

一方で、空き家の中に残っている家財やごみなどの残置物は、基本的には所有者が自ら処分することが求められます。
自治体の空き家関連の案内でも、家財がない状態で引き渡すことが原則であり、できる限り所有者が処分することが望ましいとされています。
また、残置物を残したままにしておくと活用や売却が進まない要因となるため、所有者の責任で片付けるべきという考え方が示されています。
このように、残置物の処分は所有者側の重要な役割であることを押さえておく必要があります。

もっとも、現実には残置物がある状態のまま売却を検討する場面も少なくありません。
例えば、相続した実家に故人の家財が多く残っている場合や、高齢の親が施設に入居して住まなくなった自宅を処分したい場合などが挙げられます。
さらに、遠方にある家を売却したいものの、頻繁に通って片付けることが難しいケースでは、荷物を残したまま売却できないかを検討することもあります。
このような事情があるときには、残置物の扱いをどのように条件へ盛り込むかが重要な検討ポイントになります。

区分 具体例 売却時の扱いの考え方
典型的な残置物 家具・家電・衣類 原則は所有者が処分
不動産に含まれる物 造り付け収納・設備 通常は建物と一体で引渡
残置物が多い事例 相続した家・高齢者の家 荷物そのまま売却を検討

荷物そのまま家を売却するメリット・デメリット

まず、荷物を残したまま売却する大きなメリットは、片付けにかかる時間と労力を抑えられる点です。
一般的な戸建住宅の残置物撤去には、量にもよりますがおおよそ数十万円の処分費用が発生するとされており、この負担を避けられる可能性があります。
また、相続した家や遠方の住まいなど、売主自身が頻繁に通いづらい場合でも、片付けのために何度も現地へ行く必要がないことも利点です。
さらに、買主との合意次第では、実際に暮らしていたままの状態を見てもらえるため、生活のイメージが伝わりやすい場合もあります。

一方で、残置物をそのままにして売却する場合、処分費用や片付けの手間を見込んで、売却価格が下がりやすいというデメリットがあります。
残置物の撤去には、軽トラック1台分で数万円、2トントラック1台分で数万円台後半などの費用が相場とされ、戸建一軒分では合計で数十万円規模になることも少なくありません。
そのため、買主側で片付ける場合には、こうした費用と手間を差し引いた価格での条件提示になりやすく、結果的に手取り額が想定より小さくなる可能性があります。
また、荷物が多い物件は敬遠されることもあるため、購入を検討する人の幅が狭まりやすい点にも注意が必要です。

残置物を片付けてから売る場合と、荷物を残したまま売る場合とでは、「トータルのコスト」と「手間」のバランスを比較することが大切です。
売却前に自ら整理・撤去を行えば、処分費用は発生するものの、買主候補が増えやすく、販売価格の面で有利になりやすいとされます。
一方、残置物ありのまま売却する場合は、価格が下がる代わりに、片付けの時間や精神的な負担を大きく軽減できる可能性があります。
どちらが有利かは、物件の状態や売却までの希望期間、売主が片付けに割ける労力や予算などを総合的に見て判断することが重要です。

項目 片付けてから売却 残置物ありで売却
売却価格の傾向 高くなりやすい傾向 処分費相当の値下がり
売却までの手間 片付け準備の負担大 売主の作業負担小
時間的な負担 整理期間が長くなりがち 早期売却につながりやすい

残置物ありで不動産売却する具体的な進め方

まずは家族間で、残したい物と処分してよい物を丁寧に仕分けすることが大切です。
思い出の写真や仏壇、重要書類などは、残置物とは分けて確実に持ち出せるよう、一覧にして確認しておくと安心です。
一方で、壊れた家電や長く使っていない家具など、明らかに不要な物は早めに処分候補として整理しておくと、後の話し合いが円滑になります。
この作業を家族全員で共有し、誰が最終判断をするかをはっきりさせておくことも、後々のトラブル防止につながります。

残置物を残したまま売却する場合は、売買契約書の中で「何を残し、何を撤去するのか」を具体的に記載することが重要です。
不動産会社の実務では、原則として引き渡しまでに売主が残置物を撤去する条項が入ることが多いため、荷物をそのまま残すなら、通常と異なる取り扱いであることを特約で明確にします。
例えば「大型家具と家電は買主が引き取り、細かな生活雑貨は売主が処分する」など、種類や範囲をできる限り具体的に書き分けておくと、認識の食い違いを防ぎやすくなります。
あわせて、処分費用を誰が負担するのか、引き渡し後に追加で処分が必要になった場合の対応も盛り込んでおくと安心です。

さらに、残置物がある状態で引き渡す場合には、「現状有姿」での引き渡しかどうか、契約不適合責任をどこまで負うかといった点も、契約書上で確認しておく必要があります。
現状有姿という文言だけでは、売主の責任範囲が必ずしも明確にならず、後に建物の不具合などを巡って争いになる可能性があると指摘されています。
そのため、残置物条項とあわせて、建物や設備の状態、既に把握している不具合の有無なども、できる限り詳細に説明し、書面に残しておくことが大切です。
こうした点を一つずつ確認しながら契約内容を整理しておくことで、荷物を残したままの売却でも、買主との信頼関係を保ちつつ、安心して引き渡しを迎えやすくなります。

手順 主な内容 確認の目的
家族での仕分け 保管物と処分物の整理 思い出品や重要物の保全
残置物の範囲決定 残す物と撤去物の明記 売主買主の認識共有
契約条件の整理 現状有姿や費用負担 引渡し後の紛争予防

残置物の片付け費用相場と公的制度・注意点

残置物の片付け費用は、間取りや荷物量によって大きく異なりますが、遺品整理業者に一括で依頼する場合、1K・1Rで概ね3万円台から、1LDKで8万円前後を目安とする民間調査があります。
また、環境省や国土交通省の調査では、残置物処理費用は作業員人件費と廃棄物処理費用などの合計として算定され、事例平均で約40万円程度となった報告もあります。
そのため、売却前に複数社から見積もりを取り、部屋の広さだけでなく荷物量やオプション作業の有無を確認しながら、全体の費用感を把握しておくことが重要です。

残置物の片付けを業者に依頼する場合は、一般的に、現地見積もり→仕分け・貴重品探索→搬出→廃棄物処理・リサイクルといった流れで進みます。
環境省の資料では、見積もり金額は「作業員人件費」「廃棄物処理費用」「リユース品の買取による減額」「その他オプション費用」に分けて考える整理がされており、実際にも、供養やハウスクリーニングなどの追加サービスがあると費用が上乗せされます。
不動産売却を見据えた片付けでは、残しておきたい物の確認と並行して、どこまでを残置物として買主の負担とするかを意識しながら、見積もり内容の内訳を丁寧に確認することが大切です。

公的な情報の活用という観点では、国土交通省が公表している「残置物の処理等に関するモデル契約条項」や、その解説資料が参考になります。
これらでは、残置物処理に関する委任契約の考え方や、費用負担者を明確にする重要性が整理されており、売買契約においても「誰が、いつまでに、どの範囲を処分するか」を定める際の基本的な視点として役立ちます。
また、多くの自治体では、空き家対策の一環として相談窓口を設置しており、中には空き家の家財道具処分費用の一部を助成する制度を設けている自治体もあるため、残置物の片付けに着手する前に、お住まいの自治体や物件所在地の自治体の空き家担当窓口へ相談し、利用可能な支援策の有無を確認しておくと安心です。

項目 おおまかな目安 確認しておきたい点
残置物処理費用相場 1K数万円〜一軒数十万円 間取り・荷物量・階数など
見積もり内訳 人件費・処分費・オプション 供養や清掃の有無と料金
公的制度の活用 空き家相談窓口・補助制度 対象条件・申請期限の確認

残置物の中でも、仏壇や位牌、写真、手紙などの品は、処分方法を慎重に検討する必要があります。
遺品整理に関する資料でも、供養やお焚き上げなどをオプションとして設定している事例があり、単純な廃棄物として処分するのではなく、故人や家族の気持ちに配慮した対応が求められます。
また、不動産の権利証、登記識別情報、保険証券、金融機関の通帳などの重要書類は、後日の売却手続きや相続手続きに不可欠なため、片付けの初期段階で必ず捜索し、誤って残置物として処分してしまわないよう注意して保管することが大切です。

まとめ

残置物がある家の売却は、片付けの負担を減らせる一方で、価格や買主の範囲に影響する繊細な取引です。
事前に家族で残したい物を整理し、何を残すか・誰が処分するか・費用負担を契約で明確にすることで、トラブルを防げます。
また、仏壇や位牌、重要書類などの取扱いには特に注意が必要です。
当社では、残置物ありの不動産売却について、現状有姿での契約内容の整理から片付け費用の考え方まで、状況に合わせて丁寧にご説明します。
荷物そのままの売却を検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。

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